収益物件として購入したマンション投資に際しては、管理会社の倒産リスクを視野に入れた、管理業務委託先の選択が非常に重要です。ここでポイントとなるのは「信頼性」に他なりません。そこで今回は、この信頼性を見極めるポイントを含め、管理会社の倒産リスクについてまとめたいと思います。
マンション投資物件の管理会社の倒産リスク
一般的には、管理会社の倒産リスクは少ないのが現状です。その理由として、毎月安定した管理手数料が会社に入ってくる点があげられます。景気に左右されない安定した収入源による経営ですので、他の業種と比較して、倒産リスクは低いと判断できます。
しかし、必ずしも「ゼロ」とは言い切れません。その理由には、次のようなものが考えられます。
他にも事業展開していて、そちらの事業で資金繰りに行き詰ってしまう可能性がある
個人情報漏洩などのトラブルにより会社運営に支障が生じる場合がある
マンション管理会社はマンション建設など、他の事業を展開している企業もみられます。大手数社がシェアを競う建設業界においては、下請けとなる中小企業が十分な利益を確保するのが難しい一面があります。
万一深刻なトラブルが生じた場合、金銭的にリカバリーできない可能性も想定され、また自社が展開している他の事業の不振が足を引っ張るリスクも想定されます。
また、物件のオーナーと入居者に関する大量の個人情報を取り扱う管理会社は、常に個人情報関連のトラブルのリスクと背中合わせです。個人情報関連のトラブル対策として、企業向けの保険への加入を始めとする対応策が存在しますが、企業によって個人情報漏洩リスク対策の実践はまちまちです。
管理会社が倒産してしまったら管理会社の変更を検討することになる
万一管理会社が倒産してしまった場合、以下の2通りの状況が考えられます。
・倒産後も会社更生法などを使って事業を継続する
・倒産して事業を継続しない(できない)
前者の場合は引き続き、管理業務の委託を続けることは可能ですが、このような管理会社では先行きが不安ですので、早急に管理会社の変更を検討すべきでしょう。
そして後者の場合には、速やかに新たな業務委託先を探さなければなりませんが、会社の選定、管理内容の確認などの作業が発生し、投資家にとって大きな負担となります。
また注意すべき点として、倒産した管理会社が徴収した入居者からの家賃や敷金が戻ってこないケースがあげられます。これらを取り戻すには時間と費用を要する可能性があります。たとえば敷金に関してはオーナー自らが管理することで、倒産リスクを抑制する対策も一案です。
ポイントを押さえて優れた管理会社を選ぶ
倒産のリスクが高い管理会社を選ばないよう、ポイントを押さえて管理会社を選ぶことが重要です。
管理会社は以下の2つに呼び分けられる場合があり、それぞれ特徴がみられます。
1.賃貸管理会社
2/建物管理会社
前者は不動産仲介が基盤の会社であるケースが多く、入居者トラブルへの対処力に優れ、入居者募集にも強い傾向がみられます。
後者は建物と設備全体についての管理や修繕などに優れた特徴を有しています。
また、下記それぞれのメリット・デメリットの比較検討作業も重要です。
1.大手企業
2.地域密着
大手のメリットとして、知名度が高く集客力に優れ、スタッフの層も充実している点があげられる一方、企業としての規模が大きいため、緊急時の対応に時間を要する可能性が想定されます。
対して地域密着型の場合、トラブルへの迅速な対応、地域性を把握したサービスや情報の提供がメリットですが、大手と比較して各社のサービスの質がまちまち、といった傾向がみられます。