何かしらの理由で投資用のマンションを売却する必要が出てくることがあります。しかし、ただ売却するのではなく、なるべく高く売り利益を出したいところ。
高く売却するためには売却の注意点を確認し、ポイントを押さえた方法でよりよい不動産会社を選定する必要があります。
マンションの売却を考えている方は、すぐに売らず事前にきちんとした準備をしておきましょう。より高く売却するために必要な知識をまとめてご紹介します。
売却時の注意点
マンション売却は売りに出してすぐ買い手がつくわけではありません。早くても1カ月程度、長くなると6カ月程度かかります。また、売却したいと考えてすぐにできるものではなく、3~4カ月以上前の時点で不動産会社の選定と契約が必要です。
不動産会社の選定で注意すべき点
投資用マンションの売却は簡単ではありません。不動産によっては査定額に100万円以上の差が出るケースもあります。しかし、高い金額を提示してくれる会社がいい会社というわけではありません。
仲介実績が豊富で適切に販売できる不動産会社と契約するのが確実です。不動産会社を選定する際は、一つではなく複数社に検討の依頼をしましょう。
媒介契約には種類がある
売却のために不動産会社に正式依頼することを媒介契約と呼びます。媒介契約の種類は、専属専任媒介契約と専任媒介契約、一般媒介契約の3つ。
専属専任媒介契約は信頼できる1社に限定する方法です。安全性と安心感は高いですが、ほかの不動産業者に依頼すると違約金が発生します。
自分で購入希望者を探す場合は営業経費を支払えば可能です。専任媒介契約も同じく1社のみの契約で、他業者に依頼すると違約金が発生し、自分で購入希望者を探す場合も違約金が発生します。
一般媒介契約は複数の業者と契約が可能ですが、業者によっては積極的に宣伝活動を行ってくれない可能性もあるため見極めが必要です。
収益価格の考え方
投資用マンションの価格が変化する要因の一つが純収益、通称「NOI」です。NOIは賃料収入から諸経費を控除する計算式、
収益価格=純収益÷利回り という形で判明します。
収益価格は土地と建物を合算した価格で、物件がどれくらいの収益を上げているのかが重視されるのです。
投資用マンションの価格上昇は、純収益が増加するか還元利回りが減少するかのいずれか。
還元利回りとは、マンションの購入金額に対する利益割合のことを指します。一般的には築年数に反比例して家賃は減少していくので、これに従い純利益もわずかに減ることに。還元利回りが低下するのはさまざまな要因があげられますが、最も変動しやすいのは金利の低下です。この点に注意した売却を行いましょう。
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売却時のポイント
売却時は空室割合を低くする
マンションの空室割合は還元利回りを下げる要因です。売却金額をあげるには、空室割合を低くする努力が必要となります。
空室割合の減少は、管理している不動産会社と売主の努力によって影響を与えることができるでしょう。
内覧前に部屋の手入れや設備の修繕を行う
マンション売却時に行われる内覧は、価格に大きな影響を及ぼします。修繕が行われているかどうかは還元利回りを下げる要因の一つなので、内覧担当者の目が届く範囲内で修繕をしておきましょう。
また、マンション全体の設備に欠陥があった場合還元利回りを上げてしまうので、この点にも注意が必要です。内覧前の部屋の手入れ、台所や浴室などの水回りは重要なポイントとなります。
築10年を売却のタイミングの判断基準に
マンションは築10年を目途に修繕が必要です。築20年を経過すると排水設備が正常に維持できなくなり、大規模な修繕費用が発生する可能性が高くなります。
築10年目を迎えるかどうか、これを一つの判断基準としましょう。
なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。