2004年の1億2,784万人をピークに、減少が続いている日本の総人口。
総務省発表の長期的推移を見ると、2050年の総人口の予想は9,515万人、2004年時点と比べて46年で3,269万人も減少する見込みで、この趨勢が揺るぎないトレンドとなっているのは間違いありません。
これは、子供の人口が増えず高齢者の人口だけが増え続けていく、少子高齢化問題に起因するもので、総人口に占める65歳以上の割合から算出される高齢化率を比較すると、先の2004年と2050年では、およそ20%も上昇。
2065年には、10人に4人近くが65歳以上となる計算になります。
そして、少子高齢化がもたらすであろう消費の冷え込みは、小売を衰退させ、雇用機会を奪い、さらなる人口の減少を引き起こします。
これらの課題は、経済活動全般に広く影響を及ぼし、不動産市場にも深く影を落とすことが容易に予想できますが、こと不動産投資においては、マーケットを理解し、正しい戦略が描ければ、むしろチャンスですらある、と言えるのです。
核家族化の加速と地方人口密度の低下、外国人労働者の受け入れが導く、住居需要の「選択と集中」
ここまで断言できる根拠は、大きく分けて3つあります。
1. 核家族化による、「世帯」の増加
人口の減少は、住宅需要の減少にもつながるように見えますが、核家族化のさらなる加速、景気の後退による未婚率の増加が、夫婦や子供だけで構成された「世帯」をさらに細かい単位の「世帯」に細分化させてゆきます。
人口が減れば減るほど、「世帯」は増加していく、つまり住宅需要は減るどころか増えているのです。
2. 都市部への人の流れの集中
人口減少と少子高齢化がとくに顕著な地方都市では、人口密度の低下による産業の停滞、行政をはじめとするサービスの劣化が大きな課題となっており、サービスの最適化や教育、医療、福祉の環境向上、効率的な防災を実現するため、都市中心部に人口を集中させる「コンパクトシティ」の形成を進める自治体が増え、新たな住宅需要が喚起されています。
3. 外国人労働者受け入れの促進
日本人だけで稼働が高い状況にあったこと、外国人の入居に不安を感じるオーナーが多いことから、心理的なストレスのかかる外国人は賃貸物件を借りにくい現実がありましたが、今後の労働人口の減少を鑑みて、外国人労働者受け入れの促進は不可避であることから、契約プロセスが更新され、現在約182万人を数える移住者はさらに増えると予想されます。
ニーズと資産価値を兼ね備えた、単身者世帯向け物件
では、このような局面において、具体的に取るべき戦略とは一体どのようなものなのでしょうか?
たとえば一つには、単身者世帯をターゲットに見据えた物件をチョイスすることが挙げられます。
単身者向けの賃貸物件は、ワンルームや1LDKなどの間取りが一般的ですが、大きな間取りや戸建てより家賃コストが低く抑えられるうえに、居住スペースと水回りがコンパクトにまとまっているため、利便性が高く、そもそもニーズが大きい傾向にあります。
さらに、高齢化が進むにつれ、高齢の単身者が増加することから、それまで家族と暮らしていた郊外の一軒家より、生活しやすい都市部のコンパクトな住宅への転居を望むケースが増えているのです。
そもそも、都市部の人口の推移は、コロナ禍をもってしても大きな変化はありませんでした。
2015年に1,351万人を数えた東京の人口は、2045年では1,360万人と推計。
今後の労働人口自体は減るものの、外国人労働者を受け入れることにより、賃貸需要はさらに拡大していくであろうことが予測できます。
また、とくに東京23区内などの都市部の不動産はインバウンド需要が顕著で、資産価値としても申し分ない条件が揃っているのは明らかです。
理解と実践とは大きく違うからこそ活きる、不動産投資におけるプロフェッショナルな視座
このように、住居と商業が近い、かつ需要および価格変動リスクが少ない都市の中心部から厳選することで、単身者用物件は継続的な需要が見込めます。
とはいえ、いかにアドバンテージの高い戦略を理解できたとしても、「これだ」という物件を自ら選び、実際に戦略を設計・運用していくのは、誰もが一朝一夕でできることではありません。
今後の資産形成において、どこか不動産投資に可能性を感じることができたなら。
まずはプロフェショナルな視座とコンサルティング力を持つエキスパートが主宰するセミナーや相談会に参加してみるのも、資産運用の立派な第一歩となることでしょう。