2020年10月の臨時国会で菅前首相が「2050年カーボンニュートラル宣言」を表明して以来、ここ日本国内においても俄然注目度が高まってきたGX(グリーントランスフォーメーション)。
GXとは、地球温暖化や環境破壊、気候変動などを引き起こす温室効果ガスの排出を削減し、環境の改善とともに経済社会システムの改革を行う対策全般を指します。
2021年1月時点で、日本をはじめEUやアメリカ、中国を含む世界124か国と1地域が2050年までのカーボンニュートラル実現を表明(出典:経済産業省・資源エネルギー庁)、世界中の企業がこの対策に取り組んでいますが、その背景には、地球にだけではなく、企業の経済活動においても大きなメリットが潜んでいるようです。
脱炭素化時代にGXが注目される、3つの理由
そもそも、ここまでGXが注目されるようになったのは、大きく3つの理由が考えられます。
1.地球温暖化の深刻化
2020年までの170年間で上昇した世界の平均気温は約1.09℃、それに伴う海水温の上昇は、2010年までの108年間でおよそ19cm。
今までと同じ気象条件では生活できなくなることによる社会環境の変化は、経済にも深刻な影響を及ぼすため、一刻も早い地球環境の改善・保持が不可欠です。
2.世界的に進む、脱炭素化の動き
経済産業省を中心にようやくGXの取り組みが本格化した日本に先駆け、世界ではすでに次々と取り組みが始まっています。
EUの一部のヨーロッパ100都市では2030年、世界最大のCO2排出国・中国は2060年にはカーボンニュートラルが実現できるよう、様々なアクションが行われています。
3.ESG投資による、市場の拡大
財務情報だけでなく、環境(Environment)や社会(Social)への配慮、企業統治(Governance)の管理体制を考慮して行われるESG投資。
その運用規模は、2020年の段階ですでに約3,900兆円、今後もますます拡大が予想される上、ESGに関する意識が低い企業の株価下落、衰退の可能性も考えられることから、多くの企業がGXに向き合い始めています。
GXが企業の経済活動にもたらす、2つのメリット
では、世界が大きくGXに舵を切ったことによる、企業の経済活動における大きなメリットとは、どんなものが挙げられるでしょうか?
主に、2つに分けられます。
1.コストの削減
再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自体の削減/再利用が図られ、政府による導入支援策の拡充や再生可能エネルギーの低コスト化が見込めます。
また、そもそもエネルギー自体の節約が必須なことから、光熱費や燃料費のコスト削減/利益率の向上、自社生産の再生可能エネルギー販売による新たな事業機会も生まれます。
2.企業ブランディングの強化
GXに積極的に取り組むことにより、コスト削減や利益率が向上した場合、企業の認知度や将来性への評価が上がることから、資金調達および低コストでの優秀な人材の確保に対するアドバンスとなります。
なにより、環境への貢献は、投資家や求職者、地域の住民に対してのブランディングを強化してくれる、大きなファクトになります。
不動産投資コンサルティングのプロフェッショナルが取り組む、カイロスマーケティング流GXの現在
かくして、世界中のあらゆる業界、企業がGXに本格的に取り組み出している現在。
不動産投資のコンサルティングを手掛ける我々カイロスマーケティングも、もちろん例外ではありません。
例えば、不動産投資の対象となる物件については、住宅を長持ちさせるための対策の程度を3段階で表す「劣化対策等級」を念頭に、物件の状況に合わせ、いちばんベストな状態で最適化。
中古の物件を、最良のコンディションで再活用しています。
加えて、地球温暖化の原因の一つでもある外壁塗料も、地球温暖化の原因となる石油系資源の使用を大幅に削減した、新しい水性のエコ塗料を積極的に使用。
塗料におけるCO2の発生量も大幅に削減することにより、貴重な石油系資源の節約にも取り組んでいます。
小さなところでは、物件のご案内の際に使用する車も、もちろんハイブリッドカーを採用。
まだまだその取り組みは始まったばかりですが、カイロスマーケティングは本来の強みであるプロフェッショナルなコンサルティングによって培われた視座を武器に、現在地球が置かれている状況を冷静に判断し、環境にとって打つべき施策を最良のタイミングで実施することで、これからも地球環境の改善・保持に寄与してまいります。