不動産投資をする人にとって、必要不可欠な存在が管理会社。
オーナーの多くは管理会社に業務委託手数料を支払い、煩雑な業務を任せているでしょう。
管理会社には2種類の役割があります。
一つは、建物の清掃や設備、共用部分などハード面の管理を行っているビルメンテナンスとしての建物管理会社。
もう一つは、入居者の募集やクレーム対応、貸借人の書類作成、契約締結・更新など大家さんの業務を行っているプロパティマネジメントとしての賃貸管理会社。こちらは実際に一人暮らしをした経験がある人は想像がつきやすいはずです。
本記事では賃貸管理会社について解説します。
管理手数料とは?
管理手数料の相場は、投資型1棟アパートだと月々の家賃の3から5%、または数千円/戸+税が妥当と言われています(大型修繕費用は別途)。
家賃とは家賃+共益費の合計を指します。
不動産業界にも近年新しい波があり、手数料のサブスクリプションが登場しました。
所得税と同じように、通常であれば家賃が高くなればなるほど手数料も比例して高くなります。
それに比べ、定額手数料は家賃が6万円であっても7万円であっても管理会社に支払う手数料は毎月一定のためオーナーにとってはとても魅力的ですよね。
ただ、管理手数料の安さを推してくる管理会社には少し注意をして契約内容をみてください。
この手数料は、会社にとって大切な収入源です。
収入源を下げるとなると、別のところで帳尻を合わせなければなりません。
例えば、管理手数料は安いけど、後で追加コストを言われる場合があります。
具体的には管理上、現場に行くときの出張費や原状回復の工事費用、巡回清掃などのビルメンテナンス費用が高いという例です。
表向きは安くても別のところでコストがかかる可能性があるので、手数料だけではなくトータルコストで考える必要があります。
ランニングコストを左右する新規客付け手数料
別でコストがかかるところといえば、新規の客付け手数料です。
新規客付け手数料とは、いわばオーナーが管理会社に支払う仲介手数料で、不動産投資をする上で最もランニングコストを左右する項目です。
相場は家賃の0.5ヶ月から1ヵ月分なので、
一部屋70,000円のアパートであれば35,000〜70,000円の手数料を支払います。
例えば、一棟のマンションを保有しており、契約がいくつも決まるとすると、その分手数料は契約数分追加になるので、費用はかさみます。
この客付け手数料が0.5ヶ月分なのか、1ヵ月分なのかでキャッシュフローに大きな差が出ることになります。
もし0.5ヶ月分くらいの賃貸管理会社があれば、コスト管理上大切にするべきと言えます。
客付けの方法はどうか
また、客付けを自社でしかしていない可能性があります。
客付けとは、街中の不動産仲介会社が物件の情報を開示し宣伝することです。
よく、駅前には間取り図と駅徒歩○分で家賃○円と書いてある広告があると思います。
他社から申し込まれた物件で契約が決まると、オーナーから毎月家賃の数%の手数料しか貰えませんが、自社で客付けをし、契約が決まれば仲介手数料として家賃の1ヵ月分が手数料となり、管理会社の収入源としても安定性が確保できるのです。
もし、情報の公開範囲が少なければ、当然入居者の目に触れる機会が少ないわけですから、空室リスクは上がり、稼働率は下がります。
中々入居者が決まらない場合は客付けの範囲を確認した方が良いでしょう。
管理会社は賃貸経営をするうえで必要不可欠なパートナーです。
キャッシュフロー上、コストカットも大切です。
しかし、安さだけにひかれて背景にあるカラクリを理解していないと、逆に損をしてしまう…なんてことにもなりかねません。
契約前にしっかりと話しをし、修繕費や巡回費用・お庭の剪定費用、ゴミ処分費用といった管理メニューとそれぞれのコストを確認してみましょう。
もちろんメニューにないイレギュラーな費用がかかる場合もありますが、価格の理由が明確なのか、聞いてみることは重要です。
目先の費用よりも「長い付き合いができる会社か」を判断しましょう。
しかし、管理メニューと金額だけで判断しづらいのも事実です。
そういう場合はお付き合いしてみて判断していくのもいいでしょう。
不満があれば管理業務の契約を、他社に変更することも可能です。
事前に契約解除がどういう条件になっているかは、事前に確認しておくとをオススメします。