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コラム#138 「直接投資」とどう違う?!徹底比較で見えてくる、「クラウドファンディング型不動産投資」の本当のメリットとリスク

筆者

高桑 良充

KAIROS MARKETING LTD. CEO

2017年12月、国土交通省によって「不動産特定共同事業法」が改正。
これが契機となり、インターネット上で投資家から資金を集めて不動産を賃貸・取得し、得た賃貸料や不動産売買益を再び投資家に分配金として配分する投資手法、「クラウドファンディング型不動産投資」が誕生しました。
「クラウドファンディング型不動産投資」登場前の不動産投資の手段は、大きく2つに分けられます。
1つは自己資金や借り入れを利用して不動産を購入、家賃や売却益などで利益を得る「直接投資」、もう1つは投資金を元にJ-REITや私募ファンドなどを通じてプロが不動産を運用、利益に応じて分配金を得る投資信託型「間接投資」
そこに現れた第3の投資手法「クラウドファンディング型不動産投資」は、少ない出資額から手軽にネットで始められることもあり、投資初心者を中心に急速に人気が高まっていますが、具体的に既存の不動産投資とどのような違いがあるのでしょうか?

投資額、投資物件、物件運営それぞれの観点から見えてくる、「直接投資」「クラウドファンディング型不動産投資」の差分

ここではわかりやすいように「直接投資」と比較してみると、大きな違いとしては、次の3つが挙げられます。

1. 投資額

「直接投資」では、融資を受けられる場合は手元資金が少なくても実行できますが、抵は数百〜数千万円程度の自己資金が必要となるのに対し、「クラウドファンディング型投資」では、最低投資金額が1〜10万円程度に設定されているケースがほとんどです。

2. 投資物件

「直接投資」が融資を受けられた額、または自己資金をベースに物件を選択するのに対し、「クラウドファンディング型投資」は複数の出資者を募って投資を行うため、一人の投資家では対象とならない、ホテルやオフィスビルなどが選択肢に入ってきます

3. 物件運営

「直接投資」は物件の選定から購入手続き、税務、登記関連の対応、入退去者や修繕、リフォーム、リノベーションの管理、売却などを自身で行うのに対し、「クラウドファンディング型投資」は細かい手続きや運用上の管理を運営会社に一任する形を取ります

護られているからこそ縛られる柔軟性、「クラウドファンディング型投資」のパラドクス

なるほど、一見ローリスクでカジュアルにリターンを求めることができる印象を受ける「クラウドファンディング型投資」ですが、もちろんリスクがないわけではありません。
こちらも同様に「直接投資」と比較すると、注意すべきポイントが3つあります。

1. 契約期間

「直接投資」の場合、物件を売却すればいつでも手放せるのに対し、「クラウドファンディング型投資」ではクラウドファンディング事業者と締結するほぼ全ての「匿名組合契約」で中途解約できない規定が入っており、投資資金が拘束される可能性があります

2. 元本保証

「直接投資」においては弾力的なタイミングでリカバーできるのに対し、「クラウドファンディング型投資」ではインカムゲイン(配当益)とキャピタルゲイン(売却益)の合計が「優先劣後方式」で優先的に分配される投資家の利益を下回ると、元本に毀損が生じます

3. レバレッジ

「直接投資」ゆえに金融機関からの融資を利用すれば、少ない自己資金でも大きな利益を得ることができるのに対し、「クラウドファンディング型投資」は少額投資が基本になるため、融資を受けられることはほぼ不可能に近く、レバレッジが効かせにくいと言えます。

自身の資産を守り運用する選択肢の多い時代

加速度的に変化し続ける時代に呼応して、次々と更新されていくビジネススキーム。
もちろん、不動産投資も他ではありません。

レバレッジをかけて現物不動産で大きく資産を構築するか、手元資金で色々な不動産投資し効率を獲得するのも、投資家の資金レベルや状況に応じて変化させられます。
どうやって資産を増やすのか。
選択肢が多い良い時代とも言えますね。

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