「駅からの距離」よりも重要なこと
収益不動産を購入する際、無意識のうちに“最寄りの駅から徒歩10分以内”という条件を設定してませんか?
「駅から遠い物件だと賃借ニーズが低いため空室になりやすいのでは?」という考えからかと思います。そのようなイメージをお持ちの方は少なくはありません。
しかし、私は駅からの距離を優先して検討していただくのではなく、賃借ユーザーに選ばれ、そして長く住んでいただくことと、投資採算性に重きを置いて不動産投資物件を選択していただくようにお伝えしてきました。その中でわかったことがあります。
賃貸ユーザーは、駅からの距離よりも賃料が自分の生活水準にマッチしているかどうかを最重要視しており、実のところ駅からの距離はそこまで優先順位が高くないのです。そのため、駅近物件と駅から徒歩20分以上(バスを利用する物件を含む)の物件の稼働率が全く変わらないこともあります。
本当に駅からの距離がさほど重要ではないのかを、私の経験からだけではなく、実際のデータを元に実証していきます。
賃貸ユーザーの妥協ポイント
有益な記事がありましたので、一部抜粋してご紹介致します。
妥協OKな条件ランキング BEST10
順位 | 条件 | % |
---|---|---|
1 | お風呂の広さ、機能 | 12.2 |
2 | お部屋の階数 | 6.9 |
3 | お部屋の広さ | 6.7 |
3 | 周辺環境、お店の多さ | 6.7 |
5 | 駅からの距離 | 5.4 |
6 | キッチンの広さ、機能 | 5.2 |
6 | 築年数 | 5.2 |
8 | 間取り | 4.8 |
9 | お部屋の数 | 4.4 |
10 | ベランダ・日当たり | 3.5 |
上記のランキングを見ていただけるとおわかりの通り、妥協してもよい条件第5位に「駅からの距離」がランクインしています。これについては、最初は遠いと感じていても次第に慣れてくる、適度に歩くことによって運動不足解消に繋がる、駅周辺の騒音の不安を感じることもなくなるなどの意見が挙がっています。
駅からの所要時間について
もう一つのデータをご覧ください。
上記のグラフは、駅からの所要時間の許容範囲(男女別)のアンケート結果です。男女ともに「10分以内」「15分以内」と回答する方が多いという結果が出ました。
駅近物件とは「5分以内」を指すものだと思いますが、賃貸ユーザーの許容できる駅からの所要時間としては、「5分以内」でなくとも問題ない方が多いというのがわかります。さらに、「こだわりなし」と回答した方が男女とも10%程度いるというのも注目すべき点かと思います。
最後に
前述のように、「駅からの距離」はそこまで意識しなくともよいことがおわかりになったかと思います。つまり、不動産投資家と賃貸ユーザーには、ニーズのギャップがあるということなのです。さらに加えれば、重要なのはターゲティングであるということです。
誰をターゲットとするかによって、不動産投資における戦略が変化していきます。是非信頼できる不動産会社と相談をしながら、ターゲティングを明確にし物件の取得を目指してください。