不動産投資をする際によく質問いただく住宅ローンとの関連性があります。
実は昨年、フラット35を悪用した不正事件がニュースになりました。
「住宅ローンを使って借りたお金で投資用の物件を買えばいい」
いったいどのようにこの不正事件が起こってしまったのか、読み解いていきましょう。
不正事件の概要
とある悪徳な不動産業者が借金のある人に向けて、住宅ローンであるフラット35を使い投資用ワンルームマンションを購入させた、というものでした。
業者は2000万円の物件を2700万円として提示し、賃借人に住宅を購入すると嘘をつかせて銀行から多くお金を借りさせます。
そうすることで差額の浮いた700万円で借金返済し、
「借金を帳消しできる」
「さらに投資で節税もでき不労所得も入るため資産が増える」
といった謳い文句で詐欺を仕掛けていました。
業者は入居者が入らないような価値のないワンルームマンションの販売で利益を出していました。
昔からある手口
「住宅ローンを使って借りたお金で投資用の物件を買えばいい」
どうして不動産投資用の融資ではなく住宅ローンを悪用したのか?
実はこれ、昔からよくある手口なのです。
事業目的で借り入れをしようとすると、金融機関はすぐには貸してくれません。
金利は高く、不動産投資目的であってもフルローンは貸してくれませんし、頭金も多く必要です。
一方、金利が低く、住宅専用のローンであるフラット35は住宅金融支援機構(国)が支援してくれるので、銀行はあくまで窓口の役割しかせずリスクは負わないので2000~3000万円借りられる仕組みをついて悪用したのですね。
どこがリスクを負うのか?
大きな金額が動く際に押さえておくべきポイントとして、どこがリスクを負うか?です。
事件のような悪徳な不動産販売会社は契約上では購入者に向けて売っただけ、銀行は購入者に貸してはいるもののフラット35から保証されています。借金やリスクは買った人が背負うことになるのです。
詐欺罪にもあたりますし、融資元からは借りた分一括返金を求められます。購入し手元に残ったワンルームマンションも収益を生む物件ではないでしょう。
まとめ
金融機関は融資をする際に、不正をしていないかのチェックをしていますが、この場合不正がバレないようにするため融資を受けた本人が住民票を一度実際にその物件に移してから他人に貸しているため、表向き分からないのです。
金融機関側もフラット35のような、国である機構が保証してくれる機関にはリスクを負わないため、融資をしたいのが企業としての本音でしょう。
こういった不動産悪徳業者はセミナーで積極的に勧誘したり、異業種交流会に潜んでいることがあります。
特に、一見敷居が低く感じられるワンルームマンション投資で話を持ち掛けられることが多く注意が必要です。
住宅ローンを悪用しての不動産投資は絶対にしない、またそのような話を聞いても冷静に判断しましょう。