新型コロナウイルスの流行により、不動産業界の取引件数が前年比から半数に下落するなど影響が出ています。緊急事態宣言が発令された2020年4月はテレワークやオンライン授業が急速に浸透しました。
これにより例年に比べて引越しをする大学生や社会人、外国人留学生など単身者世帯の動きが鈍化していたためです。
このように短期的な下落はありましたが、今後も不動産業界に影響があるのでしょうか?
不動産投資をする上で、一番避けたいのが空室リスクですよね。2020年の一都三県の転出者数から、マンションの空室リスクが上がるとの予測がありました。
しかし、不動産投資をする上では30年以上と、中長期的な目線で需要と供給のバランスを見ていくことが重要です。
マンション投資における滞納リスク
収益物件を購入して行うマンション投資において生じる家賃滞納には、過失と故意の2つのパターンが存在します。
・過失の場合
家賃引き落とし口座にお金を入れ忘れたため、残高不足による口座振替不能となってしまった
期日までに何らかの理由で振り込みが間に合わなかった
勤務先が突然倒産してしまい、給与所得が得られなくなってしまった
などの理由が考えられますが、これらは基本的に入居者ときちんと連絡を取ることで回収可能なケースです。
・故意の家賃滞納の場合
その頻度が顕著な入居者の場合、契約を解除して退居させるのも対処法のひとつ。しかし、日本の賃貸契約に関する法律では、家賃滞納だけを理由にオーナーが一方的に入居者を退居させるのは難しいのが現状です。
エントリーマネジメント(入居審査)をより厳密に行うべき
故意に家賃滞納を繰り返す入居者を受け入れないようにするためには、入居前のエントリーマネジメント(入居審査)が不可欠です。
要チェックポイントとしては、
・過去に金銭問題を始めとするトラブル歴がないか
・短期間に近隣で入退去を繰り返していないか
・連帯保証人と入居希望者との関係性に不自然さは見当らないか
などがあげられます。
ただし、サラリーマンの不動産投資家の場合、自身の本業があるために、入居者との面談や審査、家賃回収に自ら対応できないのが現状でしょう。
故意の家賃滞納から入居者が開き直り、深刻なトラブルとなってしまった場合、オーナーの日常生活への悪影響も心配されます。
また、一面識もない入居希望者のリスクを、限られた時間の意思疎通だけで察知することは難しく、先入観による誤判断で優良な入居者を逃がしてしまっては本末転倒です。
こうしたマンション投資家の方々には、部屋の管理全般を専門の管理会社に一任する方法をおすすめします。
家賃の5~10%程度の委託費用の負担が必要ですが、入居者の審査から滞納家賃の回収まで、すべて管理会社が代行してくれます。
自ら面倒な問題に対応する必要もなく、本業に支障が生じないのは大きなメリットです。
実績のある賃貸物件管理の専門会社であれば、家賃滞納が生じた場合にも、それぞれの状況に対する迅速的確な対応が期待できます。
また、保証会社の滞納保障システムを活用する方法もあります。ただし、こちらは入居者に加入してもらう必要があるため、月額負担が大きくなってしまうのがデメリットです。
このため、家賃滞納リスクのない入居希望者が、他の好条件の物件を選択してしまう可能性が想定されます。