少額の投資から始められるREIT
初心者だけど、不動産投資を始めてみたい。でも、投資にかけられる自己資金があまりないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、少額から始められるREITと不動産投資の違いをご紹介します。
REIT(リート)とは?
REITは「Real Estate Investment Trust」の略で、投資対象は不動産ですが、実際の性質は株に近く、不動産投資を専門に行う投資信託の会社を想像して頂けるとよいと思います。
投資家からお金を集めて、その募った資金で不動産に投資をし、生じた賃料や売却益などの利益を投資家たちに分配します。日本のREITはJ-REITと呼ばれます。
REITと不動産投資の違い
REITは数万円~数十万円の少額から始められるのが魅力ですが、不動産投資とどのような違いがあるか見ていきます。
1.REITでは不動産を取得しない
REITでは不動産を直接所有するのではなく、不動産を所有している会社の証券を購入することで間接的に不動産運用の利益を受け取ります。
一方、不動産投資は不動産を購入して所有権を得るため、土地・建物の所有者の名義を変更するため法的な手続きや納税を行う必要があります。
不動産を所有するのは手間がかかりますが、所得税控除や金融機関の融資を受けられるメリットがあります。
2.所得の種類が異なる
不動産投資を通じて得られる所得は、不動産所得に該当し、税率は所得税・住民税を合わせて最大で55%です。損失が発生した場合、税の還付を受けることも可能です。(国税庁「不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」)
REITは上場株式となるため、売却時の「譲渡所得(申告分離課税)」と、配当金の「配当所得」に分かれます。
REITのメリット
1.少額での投資が可能
なんと言っても、少額から投資を始めることができるのが大きな魅力です。
2.分配金
J-REITの分配金利回りは平均して約4%あります。東証一部上場企業の配当利回りは平均して2%前後のため、対比すると安定かつ利回りが高いメリットがあります。
3.いつでも売買できる
現物の不動産はいつでも売却できるわけではなく、買い手を探す時間がかかり非常に大変です。しかしREITであれば取引所に上場しているため、株式と同様に売買が可能。東京証券取引所を通じているのでいつでも株のように売買できる利便性があります。
REITのデメリット
1. 実物不動産を所有できない
REITは不動産投資のひとつではありますが、金融商品であるため、投資以外の活用方法がありません。
実物不動産への投資であれば、所有する不動産に住む選択肢も生まれます。
2.資産流動性が高く、相場の暴落があり得る
REITは証券化されて単日で取引できるため、相場がおおきく下がる可能性があります。例えば投資法人の資金調達がうまく行かない場合、キャシュフローが悪化して損失を被ることもあります。
一方、実物不動産の場合は価値が短期間で著しく下がることやゼロになることは考えづらいものです。
まとめ
数万円から数十万園の少額資金から不動産投資を始められるREITは自己資金で手軽に始めることができ、魅力的に感じますが、金融商品であることは変わらず融資はつかないため、レバレッジが利かせらえません。
不動産投資に比べると利回りも低いため、低い資金で始めても大きな資本にならないのも事実のため、ご自身の資産状況に合わせて使い分けるべきです。
また現物不動産投資でも少ない初期費用で始める方法もあります。長期的に安定した収益をつくるのであれば、プロの不動産会社に相談するのも方法ではないでしょうか。